総合診療専門医は、「あなたという人間」の専門医です。
患者を臓器でなく、全体性をもった一個の人間としてとらえ対峙します。
何よりも大切と考えるのは、総合診療医は視野の広さと焦点深度を自在に操るレンズを持つことです。
生物医学的な視野はもちろんですが、人の健康に影響する社会的因子、地域の文化なども含め、広い視座をもつこと。
そして、関わる相手(患者、地域、行政など)によって焦点深度を変えてフォーカスできる柔軟なレンズ、が求められます。
視野と深度、言葉でいうのは簡単ですが、私たちは無意識のうちに
「医師とは〇〇するものだ」という前提に縛られています。
さまざまな職種、地域の住民に接し、地域の健康課題を解決する場に身を置くことで、
自らの視野と焦点深度のレンズを鍛えること。
これが、総合診療医のエッセンスです。