第17回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会@京都に参加しました(5月29〜31日)
5月29日〜31日に開催された日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加し、口演発表1題、eポスター発表2題、シンポジウム2題への登壇を行いました。研究発表から哲学的対話まで、多彩な学びと出会いに満ちた充実の3日間となりました。
5月30日は、「短編映画を活用したアドバンス・ケア・プランニング(ACP)促進」に関する研究の口演発表を行いました。また、岡山県奈義町におけるコミュニティ参加型研究(CBPR)と、大山町における社会的処方の取り組みについて、eポスター発表を行いました。特に印象的だったのは、「つながる・つなげる」をテーマとしたeポスターセッションです。発表5分、質疑応答10分という構成で、参加者との対話を重視した新しいスタイルの発表形式となっており、活発な意見交換が行われました。
5月31日には、2つのシンポジウムに登壇しました。「こころとからだの二元論を超える」をテーマとしたシンポジウムでは、現象学やパーソンフッド論、予測処理モデルなど多様な視点から、人間をどのように理解するかについて議論しました。私は、メルロ=ポンティの「可逆性」、レヴィナスの「顔」、バフチンの「多声性」といった概念を手がかりに、臨床における患者理解はすでに単純な心身二元論を超えた営みであることを論じました。
また、「ネガティブ・ケイパビリティ(Negative Capability)」をテーマとしたシンポジウムでは、家庭医、哲学者、作家、僧侶という非常にユニークなメンバーが集い、「わからなさと共にあること」の意味について対話しました。マインドフルネス、他者理解、物語、創造性、利他性など、多様なテーマが交差する刺激的な議論となりました。私は、他者を単なる「対象」として捉えることが燃え尽きにつながりうる一方で、他者世界の不思議さを探求し続ける現象学的・対話的な姿勢こそが、医療者のウェルビーイングを支えるのではないかという視点を提示しました。
会期中は、多くの研究者や実践家との交流にも恵まれました。クリエイティブヘルスを学ぶため英国留学を予定されている坂井先生との意見交換や、刊行したばかりの著書『医シネマ』を手に取ってくださった方々との交流など、学会ならではの貴重な機会をいただきました。
研究発表、教育実践、哲学的対話、そして人とのつながり。総合診療・家庭医療の可能性を改めて実感するとともに、今後の教育・研究・臨床への大きな刺激を得ることができた学会となりました。
(孫)







