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156月 2026

鳥取の医療人文学フェローシップ 第7・8回ワークショップを開催しました(5月23-24日)

5月23〜24日にかけて、「鳥取の医療人文学フェローシッププログラム」第7・8回ワークショップを開催しました。今回は、映画館「jig theater」と書店「汽水空港」という、地域文化の拠点を舞台に、「映画」「本屋」「まち」「対話」「ウェルビーイング」をめぐる実践について、多彩なゲストとともに深く考える2日間となりました。

第7回ワークショップは、湯梨浜町のミニシアター「jig theater」にて開催され、佐々木友輔氏・杵島和泉氏による映画『ファントムライダーズ1+2』を鑑賞しました。本作品は、「映画館文化を研究する主人公」という虚構的設定を持ちながら、同時にドキュメンタリーとしても成立している非常にユニークな作品であり、「映画を見るとは何か」を問い直す体験となりました。

上映後には、映像作家の佐々木友輔氏、共同監督の杵島和泉氏、jig theater主宰の柴田修兵氏を交えたクロストークを実施しました。特に印象的だったのは、佐々木氏が語った「出会ってから考える」という制作姿勢でした。映画制作を、単なる表現活動ではなく、“自分の外側にある他者”と出会い、その関係性の中から思考を立ち上げていく営みとして捉える視点は、患者のナラティブに向き合う総合診療・家庭医療の姿勢とも深く響き合うものでした。また、「ドキュメンタリーの拡張としての“他者と共に生きること”」という言葉は、医療人文学が目指すケアや対話のあり方を考える上でも大きな示唆を与えてくれました。

続く第8回ワークショップは、湯梨浜町の書店「汽水空港」にて開催され、店主であり農業者、思想家、町会議員でもあるモリテツヤ氏を囲み、「まちの〈あいだ〉をひらく」をテーマに鼎談を行いました。孫と井上和興氏(大山診療所所長)とともに、人と人の「あいだ」がどのように立ち上がるのか、そしてケアや公共、政治へどのようにつながっていくのかについて対話を深めました。

モリ氏は、都市文化(本・映画・レコード)と生活(農業・食)を結びつけながら、「自由を諦めずに生きる」という思想のもと、10年以上にわたって湯梨浜に多様な人々のネットワークを築いてきました。その関係性は「生態系」のように有機的に広がっており、一方で、そこから離れていった人々のことにも思いを寄せ続けていると語られました。誰もがもっと生きやすい社会をつくりたいという思いが、町会議員としての活動にもつながっているとのことでした。

また、現在モリ氏が関心を寄せている、無人駅となった松崎駅の活用についても話題となりました。単なる効率性や経済合理性ではなく、「余白」や「遊び」のある場を地域住民主体でどう育てていくか。そのために対話や偶然の出会いをどう設計できるかという議論は、医療や福祉におけるコミュニティづくりとも深く通じるものでした。

2日間を通して、映画館や書店といった文化的実践の場が、人と人との関係性をひらき、新しいケアや公共性を生み出していく可能性について、多くの学びと刺激を得る機会となりました。

(孫)

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