総説論文「臨床と地域における対話の実践と健康生成」が発刊されました
少し前になりますが、日本病跡学会誌『日本病跡学雑誌』第110号(2025年12月)において、孫准教授による総説論文「臨床と地域における対話の実践と健康生成 ―精神医療・病跡学・総合診療をつなぐ視座―」が発刊されました。
本論文では、「対話(dialogue)」を単なるコミュニケーション技法ではなく、人間存在やケアの根源に関わる営みとして捉え直し、精神医療、総合診療、病跡学、地域活動を横断しながら論じています。ハーバーマスの対話的合理性、バフチンのポリフォニー(多声性)、レヴィナスの他者論などの哲学的背景を踏まえつつ、オープンダイアローグ(Open Dialogue)や地域対話実践、総合診療外来での臨床事例などが紹介されています。
また、アントノフスキーの健康生成論(salutogenesis)との接点についても考察されており、対話が人々の「意味づけ」「つながり」「回復」を支えるプロセスであることが論じられています。さらに、総合診療医の役割を「生物・心理・社会的存在としての人間の再統合を支える営み」と位置づけ、病跡学との接点についても論じています。
医療人文学、精神医療、総合診療、地域医療教育に関心を持つ方々にとって、多領域を架橋する内容となっています。
【文献情報】
孫大輔.臨床と地域における対話の実践と健康生成 ― 精神医療・病跡学・総合診療をつなぐ視座 ―.日本病跡学雑誌.2025;110:13-19.



