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169月 2026

BJGP Lifeにレヴィナスと家庭医療についてのエッセイが掲載されました(9月1日)

英国の家庭医療・プライマリ・ケア領域のメディア BJGP Life に、孫准教授のエッセイ “The face before the case: Levinas and the family physician” が掲載されました。2026年9月1日公開で、家庭医療における日常の倫理を扱う「Ethics of the Ordinary」の記事として掲載されています。

本稿では、フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの「顔(face, visage)」の思想を手がかりに、家庭医が患者と出会うことの倫理的な意味について考察しました。

診断名をつける前、症状を医学的な言葉へ置き換える前、ガイドラインを適用する前に、私たちはまず一人の人間の「顔」と出会います。レヴィナスにとって「顔」とは単なる外見ではなく、私たちに「この人を症例やカテゴリーへ還元してはならない」と呼びかけてくる他者の存在そのものです。

エッセイでは、孫がかつて腎臓内科医として血液透析診療に携わっていた際の経験も紹介しています。医療者にとってはわずか「0.2kg=200mL」の水分であっても、患者さんにとっては「暑い日に飲みたいビールを我慢すること」であり、生活の自由がさらに狭まることでもある――。同じ数字が、医学の世界と患者さんの生活世界ではまったく異なる意味を持つことを振り返っています。

そして、長期にわたって同じ患者さんと出会い続ける家庭医療だからこそ、「症例(case)」になる前の「顔(face)」に応答し続けることが重要なのではないかと論じました。診断や科学を否定するのではなく、診断はその人そのものではなく、ガイドラインは関係性そのものではないということを忘れないための哲学として、レヴィナスの思想を家庭医療に引き寄せています。

医学・家庭医療と哲学をつなぐ短いエッセイです。ぜひご覧ください。

The face before the case: Levinas and the family physician|BJGP Life

 

掲載情報
Son D. The face before the case: Levinas and the family physician. BJGP Life. Published September 1, 2026. (BJGP Life)

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