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129月 2026

糖尿病と認知症を併せ持つ高齢者のケアに関する研究論文が掲載されました(7月27日)

地域医療学講座で取り組んできた研究成果が、Journal of General and Family Medicine に原著論文として掲載されました。テーマは、「2型糖尿病と認知症を併せ持つ高齢者を診療する医師が、どのような困難や葛藤を経験しているのか」です。

本研究では、家庭医療専門医6名と糖尿病専門医6名にインタビューを行い、質的研究手法SCATを用いて分析しました。認知症によって自己管理が難しくなるなか、ガイドラインに沿った「理想の治療」と実際に実現可能なケアとのギャップ、患者さんの自律性と安全性のバランス、家族との協働、治療目標の調整、そして医師自身が抱える無力感や葛藤など、両者に共通するさまざまな課題が明らかになりました。

一方で、両者の語りには特徴的な違いもみられました。総合診療医は、患者さんの尊厳や生活背景、長期的な関係性、多職種との連携をより重視する傾向があり、糖尿病専門医は、疾患の予後に関する不確実性、治療目標の調整、認知症の診断・告知、安全性を守るための現実的な治療調整をより多く語っていました。

糖尿病と認知症の併存は、「医学的に望ましい治療」をそのまま実行すればよいという単純な問題ではありません。認知機能が低下するなかで、その人らしい生活や尊厳を守りつつ、どこまで安全性を確保するのか。そこには医学的判断だけでなく、倫理的・関係的な判断が求められます。本研究が、高齢者の複合的な健康問題に向き合う医療のあり方を考える一助になればと思います。

 

文献情報
Taniguchi S, Son D, Inoue K, Imaoka S, Nakai T, Otsuka Y, Taniguchi S, Hamada T, Sunami N. Medical Challenges in Caring for Older Adults With Type 2 Diabetes and Dementia: A Qualitative Interview Study Using SCAT to Compare Primary Care Physicians and Diabetes Specialists in Japan. Journal of General and Family Medicine. 2026;27:e70154. doi:10.1002/jgf2.70154.

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