「臨床哲学×家庭医療」研究会を開催しました(7月11日)
7月11日、大阪大学豊中キャンパスにて、「ケア・対話・回復―家庭医療学と臨床哲学が交差する場」をテーマに研究会を開催しました。医療従事者、医療系学生、人文学系の研究者などが集まり、家庭医療と臨床哲学の接点について、哲学対話とシンポジウムを通して考えました。
前半の哲学対話では、「きくとは何か?」を中心的な問いとして議論しました。臨床では、患者さんの話を「疾患」「年齢」「家族背景」といった既存の枠組みを通して理解しがちです。しかし、本当に「きく」とは、単に言葉や情報を収集することではなく、相手の置かれている状況や、言葉にならないものも含めて受け止め、その人について考え続けることではないか――。答えや「出口」がすぐには見つからない状況に、ともに居続けることの意味について対話を深めました。
後半のシンポジウムでは、「回復」をテーマに、臨床哲学と家庭医療、それぞれの視点や実践を持ち寄りました。医学的な問題解決だけでは捉えきれない患者さんの経験に対して、医療者はどのように向き合うことができるのか。臨床哲学が重視する「そのとき、その場から始める」という姿勢は、不確実性のなかで患者さんと関係を築く家庭医療とも深く響き合うものでした。
哲学を臨床に「応用する」のではなく、臨床の現場ですでに生まれている問いを、哲学者と医療者が一緒になって考える――。





