インドネシア総合診療研修報告2日目(3月26日)
研修2日目となる本日は、午前にディポネゴロ国立病院(Rumah Sakit Nasional Diponegoro; RSND)の見学、午後にディポネゴロ大学医学部のキャンパスツアーおよび専門職連携教育(Interprofessional Education; IPE)の見学をさせていただきました。
RSNDでは、まず病院の紹介と大学における臨床実習および卒後のインターンシップについて説明をしていただきました。RSNDでの研修では、他の診療科と比較して精神科での研修期間が長く設定されている点が印象的でした。説明の後にはホスピタルツアーが行われ、院内設備やリハビリテーション科、内科、循環器内科、救急科といった外来の様子について説明をしていただきました。内科や循環器内科では専門医の先生が、救急科ではGPの先生が診療を担当されている点が印象的でした。院内は清潔で、日本と似た設備も見られましたが、全体として患者数が多い印象を受けました。
キャンパスツアーでは、まず解剖学教室を訪問させていただきました。解剖学教室では、ディポネゴロ大学における講義方法や施設の説明、貴重な資料の見学をさせていただいた後、臓器の解剖学的名称を当てるクイズと教授によるミニレクチャーを受けました。クイズの正解者には講座から景品もいただきました。次に寄生虫学教室を訪問し、マラリアや糸状虫といったインドネシアで多く見られる寄生虫の資料を観察し、スライド上の寄生虫の名称を当てるクイズを行いました。こちらでも正解数の多い学生に景品が用意されていました。その後は、動物実験室とシミュレーションセンターを見学しました。ディポネゴロ大学ではシミュレーション教育に力を入れており、1年次から毎年OSCEが実施され、臨床技術を段階的に習得できる体制が整っている点に驚きました。
夕方には、インドネシアの医学生とともにIPEの見学に向かいました。IPEとは、医学生・看護学生・薬学生が地域住民の家庭を半年間にわたり訪問し、連携しながら各家庭の健康問題の解決を図るカリキュラムです。今回は、独居高齢者の家庭を訪問するグループと子どものいる家庭を訪問するグループの2つに分かれ、私は子どものいる家庭を訪問させていただきました。その家庭では4世代が同居しており、健康問題だけでなく、貧困や家族の死別といった社会的課題も抱えていました。また、住居は十分な広さがあるとは言えず、家の前に釣り堀があることから蚊が多く生息しており、こうした住環境も健康状態に影響を与えている可能性があると感じました。このような家庭の実情は、実際に訪問することで初めて理解できるものであり、臨床的なフィールドワークの重要性を改めて実感しました。インドネシアにおける他職種連携や実習を重視したカリキュラムを見学し、日本の講義中心の教育方法についても改善の余地があるのではないかと感じました。
最後に、本プログラムを通してご指導・ご引率くださったディポネゴロ国立病院とディポネゴロ大学の先生方および関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。このような貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。
(M4 松本)






