飲み水の質は子どもの成長にどう影響するのか:インドネシア都市部における発育阻害(スタンティング)の研究論文発刊(11月7日)
このたび、鳥取大学医学部 地域医療学講座が参画した国際共同研究論文が、Yonago Acta Medica に掲載されました。本研究は、インドネシアの都市部において、家庭で使用されている飲料水の質が、5歳未満児の発育阻害(スタンティング)にどのように関係しているかを検討した疫学研究です。
調査は、都市部の保健センター管轄地域に暮らす5歳未満児172名を対象に行われました。飲料水の水質検査と子どもの身体計測、家庭環境に関する聞き取りを組み合わせて分析した結果、微生物学的に汚染された飲料水を摂取している子どもは、スタンティングのリスクが約3.3倍高いことが明らかになりました。一方で、重金属濃度は基準値内であり、問題の中心は細菌汚染であることが示されました。
また、子どもの月齢、低出生体重、感染症の既往、不十分な衛生習慣といった要因も、スタンティングのリスクを高めることが確認されました。本研究は、栄養や医療だけでなく、安全な飲料水や衛生環境の整備が、子どもの健やかな成長に不可欠であることを、データに基づいて示しています。都市化が進む地域においても、水環境への包括的な公衆衛生介入が重要であることを示唆する研究成果です。
論文情報
Nugraheni A, Muniroh M, Pramono D, Nindita Y, Nugroho TW, Son D.
Investigating the Impact of Drinking Water on Urban Stunting in Indonesia
Yonago Acta Medica. 2025;68(4):306–314.
DOI: 10.33160/yam.2025.11.002


