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201月 2026

地域で活躍する医師になるには

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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私は、鳥取県日南町にある日南病院に勤務する医師である。日南町は鳥取県の中でも山間部に位置しており、いわゆるへき地である。日南病院で働き始めてから3年半経過した。普段の臨床業務の中で患者さんや家族との関わり、学校医・園医としての子どもたちや教職員との関わり、地域包括ケアシステムの中で連携をする福祉介護職、行政職との関わりといった様々な人々との関わりを通して徐々に地域の中での信頼を獲得してきたのではないだろうかという自負がある。

この度、大学の医学生向けに「地域で活躍する医師になるには」といったテーマでレクチャーをする機会を頂いた。どのような側面から話をしようか悩みつつ、とりあえずAIに相談をしてみることとした。Google Gemini(モデル:2.5flash, Deep Research)を用いた。プロンプトは以下の通りである。

———————————————————–
あなたは、僻地、山間部の地域で医療を行っている医師です。
医学生向けにレクチャーをすることになりました。レクチャーのテーマは「地域で活躍する医師になるためにはどうすればよいのか」です。このテーマに関わる2つの項目についてまとめてください。
***
【項目一覧】
①僻地、山間部の医師に求められている要素
②僻地、山間部の医師が活躍するために必要な能力
**
【要件】
・できるだけ詳しく調べてください
・参考とした文献等は明記してください
・推測はせず、分からないことは明記してください
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詳細は記載しないが、結論部分の回答は以下の通りである。

地域で活躍する医師とは、単なる疾患治療の専門家ではなく、高い倫理観を持つ全人的ケアの提供者であり、公衆衛生のリーダー、そして地域の多職種を束ねるマネージャーの役割を担います。

僻地・山間部の医療現場は、患者のニーズにきめ細かく対応できる点や、医療機関間の連携を通じて包括的なスキルアップが期待できる、非常にやりがいのあるキャリアパスです 。

~~中略~~

地域での医療実践を通じて、広範な臨床能力に加え、マネジメント能力、そして地域志向の研究能力を三位一体として磨き上げることが、僻地・山間部で活躍するための確かなロードマップとなります。

地域医療を持続可能にするためには、医療人材の確保と育成、遠隔医療やICT技術の活用、そして行政、医療機関、地域住民が一体となった継続的な取り組みが不可欠です 。諸君が、地域社会の健康増進と持続に貢献する、真の地域医療の専門家となることを期待します。

なるほど、ある程度は的を射た回答である。

幅広く患者の生活背景も考慮した診療を行うこと、多職種連携のマネージャーの役割を担うこと、地域医療を持続可能にするための取り組みを行うこと、非常に重要である。しかし、最も重要なポイントが抜けているように思う。それは、「地域のこれまでの活動に対する理解と尊敬」である。

地域で活躍しようと意気込んで、その地域で不足しているもの、出来ていないことを改善しようと未来志向的に取り組むことは良いことではあるが、それだけでは上手くいかない。それと同時に、その地域が過去から現在までにどのような活動を行ってきたのかを知ろうとする必要がある。

現在、その地域で地域医療が持続されているのは、これまでの活動があったからこそである。そこには様々な困難を乗り越えてきた歴史がある。歴史の中で培われてきた文化がある。それらを無視すれば、どのような取り組みも失敗に終わる可能性が高いだろう。

むしろ、これまでの歴史の中でどのように困難を乗り越えてきたのかという工夫を参考にしつつ、新しい取り組みを計画するほうが上手くいく可能性が高いのは必然だろう。

医学生へのレクチャーをする機会を得たことを発端に

医学生へのレクチャーをする機会を得たことを発端に「地域で活躍する医師になるにはどうしたら良いのか」ということを改めて考えてみた。最も重要なポイントは「地域のこれまでの活動に対する理解と尊敬」である。

どの地域においても、その地域のこれまでの地域医療の歴史にはAIの回答では得られない重みがあるはずである。

Author:谷口 尚平


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